A.ご回答内容
≪中川運河の概要≫
中川運河(なかがわうんが)は、愛知県名古屋市港区にある名古屋港と中川区の旧国鉄笹島駅(貨物駅。1986年11月1日廃止、現あおなみ線ささしまライブ駅南方付近)とを結ぶ運河です。
■全長:約8.2km(1930年当初開通時は約7.1km)
■幅:約36m~約91m(随所異なる)
■水深:約3.0m(随所異なる)
特徴は潮の干満による影響を受けない閘門式であることと、運河を掘削した土砂で沿岸を埋め立て、沿岸用地の造成を図り、工場を誘致し、工業都市として名古屋市南西部の発展を図ったことです。なお、管理については港湾管理者である名古屋港管理組合が行っています。
≪中川運河の歴史≫
■明治10年代末に鉄道が名古屋に乗り入れ、交通の中心地となったため、港と鉄道を結ぶ運河の建設が重要な課題となり、明治29年の名古屋港築港工事認可とともに中川運河の開削も具体化しましたが、財政上の問題等のため実現に至らず、大正時代になり、名古屋市南部の発展をめざし都市計画事業として運河網計画を1924年(大正13年)に決定しました。
■1926年(大正15年)に起工され、1930年(昭和5年)に本線および北支線(中川口~堀止)が竣工しました。
■1932年(昭和7年)に東支線が開通し運河全線が使用可能となり、並行して流れる堀川との連絡を図るために、松重閘門(まつしげこうもん)も設けられました。(1976年(昭和51年)に使用停止)
■中川運河は貨物輸送に優れた条件を備えていたため、沿岸は急速に発展し、運河の物流も増大しましたが、昭和40年代になると道路網の充実やコンテナ船の増大により貨物の輸送形態が船からトラックへと変わり、水運利用は減少していきました。
■なお、中川運河は一般の河川とは異なり、閘門により海と隔てられた閉鎖性の高い水域であり、生活排水や工場排水が流入したことにより汚濁がすすみましたが、下水道の整備や昭和46年の水質汚濁防止法の施行により、水質は改善に向かいつつあります。
≪問合せ先≫住宅都市局名港開発振興課(電話052-972-2784)